初心者向けメダカの始め方完全ガイド:めだかの選び方から育て方まで
今回は「初めてのメダカ飼育!メダカ飼育の始め方の完全ガイド」というテーマで話していきます。
良いメダカの選び方からオススメの飼育容器、メダカの飼い始めに特に注意するべきポイントまで詳しく解説していきます。
この記事を最後まで読めば、誰でもメダカ飼育を始めることができると思いますので、
もし周りの方にこれからメダカ飼育を始めるという方がいらっしゃったら、ぜひこの記事を共有して下さいm(_ _)m
また、この記事をきっかけにメダカ飼育を始めていくと、
メダカが上手に育たない…
早く大きく育てるためにはどうしたらいいの?
など、色々な悩みや不安が出てくると思います。
僕はメダカ飼育に関する様々な悩みや不安を解決する動画を約2年間に渡ってYouTubeで発信をしてきて、
オンラインを中心にメダカの販売も行ったり、縁あってメダカファンブックという本の編集を担当したりもしました。
この記事ではメダカ飼育の始め方だけでなく、そんなメダカに関する活動(メダ活)の中で、視聴者の方やお客さんからよくいただく質問についてもお伝えしてきますので、
ぜひチャンネル登録をして最後までご覧ください。
それではみていきましょう!
良いメダカの個体の選び方
まず最初にお伝えするのは良いメダカの選び方についてです。
メダカの寿命は飼育下では2〜3年程度と言われていますが、せっかくメダカを飼育するなら、出来るだけ長生きして欲しいですよね。
綺麗で長生きするメダカを選ぶためには、健康的な個体を選んでいくこと、まずはメダカの良し悪しを知ることが大切です。
メダカの良し悪しについて語るとなると必ずと言っていいほど、
メダカの良し悪しなんて人によって基準は違うでしょ!
同じ命なんだから良いとか悪いとか言わないで。
って言われますし、実際に僕もそう思っていますが、内容の趣旨と外れるので今回は目を瞑って下さい。
それではメダカの良し悪し基本の3箇条をお伝えします。
それがこちら▼
メダカの良し悪し基本の3箇条
- 病気やヒレ閉じの有無
- 背曲がりや体型異常の有無
- 品種特有の表現が出ているか
つまり良いメダカとは…
「病気やヒレ閉じ、背曲がり、体型異常が無くて、品種特有の表現がしっかり出ているメダカ」ということです。
ネットで画像を見て購入する時や実際に目で見て購入するときの基準として参考にしてみて下さい。
ではそれぞれ詳しくお伝えしていきます。
病気や怪我、ヒレ閉じの有無
まず僕が一番最初に確認するのが、病気や怪我、ヒレ閉じの有無です。
もしこれを見つけたら、どんなにお買い得であっても僕は買いません。
ヒレ閉じの有無の見分け方は簡単で、言葉通りヒレが閉じているとヒレを畳んだような、ヒレが細くなっている状態になります。
水換えをした時に十分に水合わせが出来ていなかったり、急な環境の変化があったり、何らかの寄生虫にやられていたりする場合にヒレを閉じている場合が多いです。
環境に慣れたり、塩浴をさせてあげたり、十分な栄養を与えてあげると治ってくる場合もありますが、基本的にヒレ閉じはメダカが調子を崩しているサインです。
あとは病気や怪我の有無もしっかり見ていきます。
改めて考えてみるとこんな感じのチェック項目になるかなと思います。
メダカの病気や怪我チェック項目
- ヒレが切れている、溶けて無くなっている
- 白い斑点やワタが身体やヒレに付いている
- 身体やヒレが血で滲んでいる
- エラが異常に開いている
- お腹が異常に膨れている
- 身体が細くなっている
ヒレが切れるのが特徴の品種や、元々背ビレがないという特徴を持っている品種もいるので例外はありますが、
この項目に1つでも当てはまる場合は、僕は基本的に選ばないようにしています。
背曲がりや体型異常の有無
続いて見ていくのが背曲がりや体型異常の有無です。
これについては、背曲がりが起きやすい品種や体型が悪くなりやすい品種もいたりするので、知識と慣れが必要になってくるとは思います。
ここに関して詳しくはぜひメダカ専門店の老舗「めだかの館」さんが運営されているサイトの”良いメダカの選び方”という記事をご覧ください。
分かりやすいところで言うと、背曲がりの有無は分かりやすいと思います。
出来るだけ背骨が真っ直ぐになっていて、途中や尾っぽの辺りが折れていない個体を選ぶようにします。
体型については、口先から尻尾の先を線で結ぶのをイメージして、途中でボコボコしていなくて滑らかな線になっているかどうかを見るようにします。
品種特有の表現が出ているか
「病気や怪我、ヒレ閉じもない」「背骨も曲がってないし、体型も悪くない」という基準がクリア出来てから初めて、品種特有の表現が出ているかどうかを見ていきます。
つまりグレードの高い低いを判断していきます。
ここは品種によってどこを見ていくのかが異なるので、品種に関する知識や経験が必要になってきます。
例えば”オロチ”という品種に関していうと、目の周りやお腹の下、ヒレまで真っ黒な個体が良個体とされているので、出来るだけ黒い個体を選んでいきます。
ラメ系の品種で言えば、ラメの量の多さだったり、ラメの粒の大きさだったり、頭までラメが乗っているかといった基準になります。
とは言え、品種の表現に関しては好みの部分も大きいと思いますので、僕自身は自分の直感で選ぶようにしています笑
また、初めてメダカの生体を購入する場合には、これらの理由からホームセンターよりもメダカ専門店で購入することをオススメします。
- ミックスメダカが圧倒的に安い
- メダカの状態が良い
- 色々と教えてもらえる
なお、ホームセンターに行くな!とかホームセンターは悪い!とかを言いたい訳では決してないので、あらかじめご了承ください。
僕自身もホームセンターには毎月お世話になってますし、メダカグッズの宝庫ですからね。
ただ、メダカの生体を買うならやっぱり専門店に行くのがおすすめです、という話です。
少し詳しくお伝えしていきます。
ミックスメダカが圧倒的に安い
メダカ専門店のメダカって高いのばっかりなんじゃないの…?
というイメージがある方も多いと思いますが、一般的にミックスメダカと呼ばれる、いわゆる選別漏れのメダカは1匹100円とかで売っていたりしますし、しかも自分ですくっていいという所も多いです。
高級なメダカでなくても良いから、お試しでメダカ飼育に挑戦してみたい方にはオススメです!
選別漏れとはいえ、ラメ系の綺麗なメダカもいたりしますし、普通に飼育は楽しめると思います。
メダカの状態が良い
メダカの理想的な体型とかを少しでも勉強していると、状態の悪いメダカはすぐに分かるようになります。
例えば、病気になっていたり、背骨が曲がっていたり、ヒレが溶けていたりしますが、メダカ専門店ですとそういうメダカは少ない傾向にあります。
メダカ掬いに出されているようなメダカは、背中が曲がっていたりする個体もいるのですが、基本的には状態の良いメダカが販売されています。
お店としても、ひどい個体を売ってしまうと噂が回ったりしてお客さんが来なくなってしまいますからね。
いくら安くしてても状態の悪いメダカを売るなんてことは、普通はしないと思います。
専門店はメダカの知識が豊富で色々と教えてもらえる
これが、メダカ初心者こそメダカ専門店に行くべき一番の理由だと思いますが、やっぱりメダカ専門店に行くと、
大抵の店主はメダカの生態についてやメダカの飼い方など、とにかくメダカに関する知識や経験が豊富なので、色々と教えてもらえます。
おそらくですが、メダカ飼育初心者が気になる疑問は全て即答してくれると思います。
なので、近くにメダカ専門店がある方は心強い味方になってくれること間違いなしです。
ただ、メダカ専門店って入るのに最初はめっちゃ勇気がいると思うんですよ…
なんか入りづらい雰囲気とか、何か買わないと嫌な顔をされるんじゃないかとか思いませんか?
僕もそうだったので、めっちゃ分かるのですが、安心してください。
多くのメダカ屋さんは、優しく教えて下さる方が多いですし、純粋にメダカが好きな方が多いので、喜んで色々と教えてくれると思います!
飼育容器の選び方
続いて、メダカを飼育する容器の選び方についてお伝えしていきます。
メダカを飼育するためには飼育容器が必要ですが、1匹につき1リットル以上の水量が確保できる容器であれば、基本的にはどんな容器でもメダカを飼育することは可能です。
僕自身、小学生の頃は2リットルのペットボトルを加工してメダカを飼育していたこともあります。
一応ペットボトルでもメダカを飼育できるというのは、メダカの魅力の1つですが…
- メダカの魅力をより楽しむ
- メダカを健康的に育てる
ためには、メダカ飼育の目的とメダカ飼育に使えるスペースに合った飼育容器を選ぶことがとても大切です。
具体的にどういうことかというと…
- メインの飼育環境は?
室内飼育 or 野外飼育 - どうやってメダカを観賞するのか?
上から見る or 横から見る - メダカを飼育する目的は?
早く沢山増やしたい or 観賞を楽しみたい - どんな色や特徴のメダカを飼育する?
白色の容器 or 黒色の容器
これらそれぞれの回答によって、適切な飼育容器は変わってくるんです。
というわけで、それぞれの飼育環境に合わせたオススメの飼育容器と特徴を紹介していきます。
水槽 | NV BOX | トロ船・タライ | 睡蓮鉢 | |
室内飼育 | ○ | ○ | △ | × |
野外飼育 | △ | ○ | ○ | ○ |
上から見る | △ | ○ | ○ | ○ |
横から見る | ○ | × | × | × |
早く沢山増やす | △ | △ | ○ | × |
室内飼育でのオススメ容器
水槽 | NV BOX | |
室内飼育 | ○ | ○ |
上から見る | △ | ○ |
横から見る | ○ | × |
早く沢山増やす | △ | △ |
水槽のメリット・デメリット
- 横からメダカを観賞できる
- レイアウトをして楽しめる
- お部屋のインテリアとしても最適
- ガラス水槽の場合は割れると大変
- 重いので洗うのが大変
NV BOXのメリット・デメリット
- 上からメダカを観賞できる
- 1つ300円前後とコスパが良い
- 意外に丈夫で水も10ℓ前後入る
- 横からメダカを観賞できない
- お部屋のインテリアとしては微妙
野外飼育でのオススメ容器
NV BOX | トロ船・タライ | 睡蓮鉢 | |
野外飼育 | ○ | ○ | ○ |
上から見る | ○ | ○ | ○ |
横から見る | × | × | × |
早く沢山増やす | △ | ○ | × |
トロ船・タライのメリット・デメリット
- 上からメダカを観賞できる
- 大量の水で飼育できる
- 一つの容器で沢山の数を飼育できる
- 横からメダカを観賞できない
- 容器が大きいので置く場所が必要
睡蓮鉢のメリット・デメリット
- 上からメダカを観賞できる
- レイアウトをして楽しめる
- 玄関前のインテリアとしても最適
- 陶器なので重くて洗うのが大変
- 沢山の数を飼育出来ない
メダカの品種の特徴に応じて飼育容器の色を使い分ける
実はメダカって飼育している容器の色によって、メダカ自身の色が変わるって知っていましたか?
メダカは鳥やアライグマなどの天敵から身を隠すために、周囲の色に溶け込みやすくするように自分の色を変えるという能力を持っています。
正確にいうと色が変わるというよりは、黒っぽい色の容器で飼育をすると体の色が濃くなって、白っぽい容器で飼育をすると体の色が薄くなります。
このことを「背地反応(はいちはんのう)」と言います。
例えば人気の品種「三色メダカ」を例にしてみると、黒い容器で飼育をすると朱赤の体色と黒い斑がくっきり出てきて綺麗なのですが、白い容器で飼育をすると体色が薄くなって黒い斑が薄くなってしまいます。※写真は同じ個体
もちろん好みは人それぞれなので、体の色が薄い個体の方がキレイだと思う方もいるとは思いますが、
メダカにはこんな能力があるんだなということを知っておかないと
なんだか買ってきた時は綺麗だと思ったのに、
飼育していたら魅力が無くなったな…
といったことになってしまう可能性があります。
また、稚魚の時から育ててきた容器の色によって成魚になった時の表現が変わってしまう品種もいたりするので、品種やメダカが持つ特徴に合わせた容器を選んでいくことも大切です。
飼育容器の洗い方と飼育水の用意の仕方
続いて、知らないと大変なことになる飼育容器の洗い方と飼育水の用意の仕方についてお伝えしていきます。
飼育容器の洗い方
まずお伝えするのが飼育容器の洗い方についてです。
水槽やタライ・NVボックスなどをメダカの飼育容器として一番最初に使う時や、ある程度飼育をしてきて容器が汚れてきたら、洗う機会がこれからあるかと思います。
そんな飼育容器を洗うときに注意しなければならないのが「洗剤を使って洗ってはいけない」ということです。
諸説ありますが、洗剤に含まれる成分が魚のエラにくっ付いて呼吸が出来なくなって死んでしまうからです。
もし洗剤を完璧に落とせてメダカが生き残ったとしても、水の状態を良くしてくれる“バクテリア”という微生物にとっては耐えられないこともあるので、洗剤は絶対に使わない方がいいです。
でも水槽をキレイにしたいんだよ…
という方にオススメなのが、こちらの「スコッチブライト」のお風呂掃除のスポンジです▼
洗剤を使わずに水だけで大抵の汚れを落とすことが出来ますし、この三角の形状のおかげで容器の角や側面も簡単に掃除することが出来ます。
また、ザラザラしたスクラブ面を使えば頑固汚れも落とせて、柔らかい面を使えばガラス水槽もキレイにすることが可能です。
掃除スポンジとして優秀な激落ちくんも良いんですが、基本使い捨てなので勿体無いと思うので、僕はこのスコッチブライトのスポンジを愛用しています。
洗剤を使わずに飼育容器を洗うというのは絶対ですが、汚れがそこまで気にならないという方は、実は容器を洗いすぎなくても大丈夫です。
後ほど詳しく”バクテリア”について説明しますが、蛇口から出てくる水道水で洗ったり、汚れをしっかり落としすぎてしまうと”バクテリア”がいなくなってしまうからです。
本当だったら、メダカの飼育水とスポンジを使って根気強く洗ってあげるのがベストですが、洗剤を使わないということさえ守れていれば、そこまで気にしすぎなくても大丈夫です。
飼育水の用意の仕方
続いてお伝えするのが、メダカの飼育水の用意の仕方についてです。
詳しくはメダカの水換えの時に絶対にやってはいけないこと!という記事でも紹介していますが、改めてお伝えしていきます。
まず、メダカを飼育する水を用意する時や水換えの時に絶対にやってはいけないことは、”水道水をそのまま飼育水として使うこと”です。
“そのまま”使ってはいけないとお伝えしたように、一般家庭の蛇口から出てくる水道水をメダカの飼育水として使うことは出来ますが、一手間加える必要があります。
その一手間というのが”カルキ”を抜くということです。
“カルキ“という聴き慣れない単語が出てきました。
この水道水の含まれる”カルキ”のせいで、一手間加えないとメダカの飼育水としては使うことが出来ないんです…
ではカルキとは何なのか?超簡単に説明すると…
水道水に含まれる”病原菌やウイルス”を殺菌するために使われる
塩素を含んだ物質で、私たちが水道水を安全に飲めるように
するために使われているものです。
人体にとって無害なこのカルキは、メダカにとってはエラや粘膜をやられてしまう”猛毒”です。
また元々”病原菌やウイルス”を殺菌するために使われているので、メダカの飼育水にとってはとっても重要な”バクテリア”という微生物が殺菌されてしまいます。
先ほどチラッと、蛇口から出てくる水道水で容器を洗わない方が良いとお伝えしたのは、これが理由になります。
ここで、
うちは水道水をそのまま使っているけど、全然大丈夫だよ!
という方もいるかもしれませんが、実は水道水に含まれるカルキの量は、地域や時間帯によって違うそうです。
なので恐らく”水道水に含まれるカルキが少ない地域に住んでいる”か”カルキが少ない時間帯に水換えをしているか”のどちらかだと思います。
なので、心配な方はしっかりとカルキを抜いてからメダカの飼育水として使ってあげることを強くオススメします。
水道水に含まれているカルキを抜く方法
そんなカルキを抜く方法は主に2つありまして、それが「水を汲み置きして放置する方法」と「市販のカルキ抜きを使う方法」です。
まず「水を汲み置きして放置」という方法から紹介していきます。
この方法が一番簡単で手間要らず!
ですが、時間が掛かるのが唯一のデメリットです。
- バケツなどの容器に水を入れる
- 日光の当たる場所に放置
- 夏場であれば半日程度、冬場であれば2日程度待つ
たったこれだけです。
小学生でも出来るとっても簡単な方法ですが、カルキが抜けるまで”待つ”必要があるので、
今すぐ水換えしたいんだよなぁ…
今すぐ新しい水槽を作りたいんだよなぁ…
という方にとっては、”2日も待ってられないよ!”といった感じだと思います。
たとえ2日間待ってカルキを抜いた水が作れたとしても、
もし水が足りないってなったら、また待たないといけません…
それはちょっと大変だと思うので、僕も含めて次に紹介する方法で水道水のカルキを抜いている方も多いです。
実はカルキを抜くための商品が販売されています。
テトラさんから出ているこちらのカルキ抜きは、カルキを抜いてくれるだけでなく、ビタミンやミネラルも含まれているみたいです。
ですがただカルキを抜くだけでいいなら、ダイソーやセリアなどの100均一でもカルキ抜きは売っています。
100均一の方がコスパが良いので、こだわりが無ければ100均一のやつでも十分です。
使用方法はとっても簡単で“容器の裏に記載されている容量を守って水道水にカルキ抜きを入れるだけ”
ささっとかき混ぜれば、水道水が一瞬でメダカの飼育水として使えるようになります!
メーカーによって用法容量は変わってくるので、商品の裏面をよく読んでから使うようにして下さい。
カルキ抜きを入れすぎると良くないと聞いたこともあるので、なんでも程々にが一番です。
水合わせのやり方
ここまで順番にご覧いただいた方は、
メダカ、飼育容器、飼育水
この3つが用意出来ている状態だと思います。
ここまで用意出来たらあとはもう一歩。
続いて水合わせのやり方についてお伝えしていきます。
初めて聞いたけど、”水合わせ”ってなに?
と疑問に思う方もいると思うので、お伝えすると…
水合わせとは、魚を別のところから別のところに移す時に行う、水に慣れさせることを言います。
メダカに限らず、熱帯魚など水の中で飼育する生き物を移していく時には水合わせを行うことが多いです。
水換えの時やお店で購入して連れ帰ってきた時などに行います。
そもそも”水合わせ”ってどうしてやる必要があるの??
という疑問に対する答えは、人間に例えると分かりやすいです。
夏に冷房の効いた部屋と外を出入りすると、温度差で風邪をひいて体調を崩してしまう人がいますよね。
冬に暖かい風呂場から脱衣所に出ると、温度差でショックを起こしてしまう人がいますよね。
あの現象と同じだと思っていただければ想像がつきやすいと思います。
人間ですらショックを起こしてしまう可能性があるので、メダカの場合も同じように、急な温度差がないように気を遣ってあげる必要があります。
メダカは水の生き物なので、温度差の他にも水の質も合わせてあげる必要があります。
つまり水合わせはとっても重要なので、やり方をお伝えしていきます▼
- 飼育水入りの飼育容器
- 飼育容器とは別の空容器
- スポイト
- 網
- 袋ごと飼育水が入った飼育容器に1時間ほど浮かべる(水温合わせ)
- メダカを水ごと空の容器に入れる
- スポイト等を使って②から水を少し抜く
- 用意した飼育水を少し②に入れて15分ほど待つ(水質合わせ)
- ③を3回〜4回繰り返す
- メダカを網ですくって飼育容器に入れる
他にもコックや水合わせキットを使った”点滴法”と呼ばれる水合わせの方法もありますが、メダカは比較的丈夫な魚なので、紹介したこちらの水合わせ方法で充分です。
エビなどの水質変化に特に敏感な生き物の場合は、点滴法で水合わせをするのが一般的です。
点滴法での水合わせ方法については、買ったメダカをすぐに水に入れないで!生存率が高くなる水合わせの方法という記事を参考にしてください。
メダカ導入初期に注意するべきポイント
さてここまで、良いメダカの選び方〜水合わせのやり方までお伝えしてきました。
これで誰でも最低限のメダカ飼育を始めることが出来ますが、ここからはメダカ飼育をし始めてから1ヶ月間以内に注意するべきポイントを3つお伝えしていきます。
それがこちら▼
- 最初の頃のエサやりの頻度と量
- メダカと光の関係について
- 水が出来上がるまでにするべき事
このたった3つのポイントを知っているかどうかで、その後のメダカの生存率が大きく変わってきてしまうので、ぜひ覚えておいて欲しいと思います。
メダカ導入初期のエサやりの頻度と量
まず最初にお伝する大切なポイントは「メダカの導入初期のエサやりの頻度と量」についてです。
野外飼育であっても、室内飼育であっても特にメダカ飼育を始めたばかりの頃は「エサの与え過ぎ」には十分注意するようにして下さい。
メダカのよくある死因TOP5という記事でも詳しくお伝えしていますが、メダカの一番多い死因である”水質の悪化”は、初心者の場合エサの食べ残しによって起こってしまうことが多いです。
ちなみに、
メダカの餌はどれがオススメですか?
と聞かれることも多いですが、100均一以外の餌でしたら正直どれでも大丈夫です。
大丈夫なのですが、強いて一つだけ挙げるとしたらこちらがオススメです。
パウダータイプなので、メダカの赤ちゃんから大人までこれ一つで育てることが出来るからです。
一回に与えるエサの量の目安はこんな感じです。
メダカ飼育でよく使われるカインズのNV BOX13(大体10ℓ)にメダカの成魚が4匹入っています。
そんな条件ですと一回に与えるエサの量はこの位です▼
メダカ飼育に慣れてきたら、容器内のメダカの匹数や食いつき具合・季節・目的によって、エサの量と頻度を調節してあげる必要がありますが、
最初のうちは、少し足りないかも?くらいで3分以内に食べ切れる量が目安です。
3分以内で食べ切れなければ与え過ぎなので、水を汚す前にスポイトなどで食べ残しを取ってあげることをオススメします。
メダカと光の関係について
続いてお伝えする大切なポイント2つ目は「メダカと光の関係」についてです。
「メダカは太陽の魚」と言われているくらい、実はメダカと光には密接な関わりがあります。
メダカは水温と日照時間を感じ取って季節や時間を把握していたり、光が健康面や発育に影響するので、メダカを長く健康的に育てていきたいと思ったら”光”を意識しながら飼育していく必要があります。
具体的には、季節にもよりますが1日につき10〜12時間程度の光を当ててあげるようにするとベストです。
野外飼育であれば、夏場の水温上昇に気を付ける必要はありますが、基本的には太陽光の当たる場所で飼育してあげるのがオススメです。
太陽光が入らない室内飼育であっても、こちらのような太陽光に近い波長が出るライトや
アクアリウム用の設定すれば自動でオンオフしてくれるライトもあるので、導入してみることをオススメします。
水が出来上がるまでにやるべきこと
続いてお伝えする大切なポイント3つ目は「水作り」についてです。
水作りと聞いてもピンと来ない方も多いと思いますが超簡単に説明すると…
メダカ飼育やアクアリウムの世界で聞く「水作り」とは、
水中に良質なバクテリアを増やして機能させて、飼育水を魚にとって良い状態に安定させることをいいます。
飼育水が安定した状態になった時に”水が出来上がる“と表現します。
水中のバクテリア(水をいい感じにしてくれる微生物)が活発に働いて、飼育水が安定した状態になると、
メダカが急に死んでしまう確率がぐんと減りますし、水がキレイな状態を保ちやすくなったり良い事尽くしです。
実はただのカルキを抜いた飼育水にはバクテリアがいない、いわゆる綺麗すぎる水なんですよね。
このバクテリアという微生物がいないと、メダカの食べ残しや糞などが分解されなくなるので、水中にアンモニアというメダカにとっての毒が溜まってしまうんです。
そしてそのアンモニアという毒が水中に溜まると、本当になんの前触れもなくメダカが死んでしまうんですよね…
恐らく多くの方の”なぜかメダカが急に死んでしまった”という原因はこれだと思っています。
バクテリアもアンモニアも目には見えないので厄介なのですが、水作りはとっても大切だということが少しでも伝わりましたでしょうか。
ちなみにバクテリアを早く定着させるためには、こういったろ材を入れてあげたりすると、ろ材にバクテリアが住み着いてくれるのでより楽に飼育できるようになります。
あと意外かもしれませんが、お迎えしてから2日間くらいまではエサは与えなくても大丈夫です。実際に僕は一切与えません。
この理由は先ほどお伝えした通り、エサの食べ残しを分解してくれるバクテリアがまだ定着していないからというのと、環境が変わるストレスによる消化不良を防ぎたいからです。
ここまで水作りの大切さについてお伝えしてきましたが、
メダカを初めて飼うんだから、
バクテリアがいる水なんて持ってないよ…
という状態だと思いますので、そんな時の対処法をお伝えしていきます。
バクテリアがいる水がない時の対処法
バクテリアがいる水がない時の対処法は主に2つあります。
- バクテリア剤を使う
- 小まめに少しずつ水換えをする
1つ目が市販のバクテリア剤を使うことです。
こういうのを使ってあげると、すぐにバクテリアがいる水を作ることが出来るので、割と早めに安定した水にすることが出来ます。
僕自身はバクテリア剤は使っていませんが、もし最初の水作りが不安だなーという方は使ってみるのもアリかもしれません。
2つ目が小まめに水換えをしてあげることです。
先ほどお伝えした通り、水の立ち上げ当初はバクテリアがほぼいないので、アンモニアが発生しやすい環境と言えます。
しつこくて申し訳ないですが、特に餌の食べ残し(餌の与えすぎ)は水質悪化の本当によくある原因なので十分注意して下さい。
その発生してしまった悪いやつを外に出してあげるイメージで、バクテリアが安定して定着するまでの最初の1ヶ月間くらいは、小まめに水換えをしてあげて下さい。
水を全て換えてしまうと、バクテリアが定着するまでまた1からやり直しになってしまうので、
3日に1回くらい容器の3分の1程度を目安に、小まめに換えてあげるのがベストです。
メダカ導入初期に注意するべきポイントをまとめると…
- メダカに餌は与え過ぎないことが大切です。
最初のうちは、餌は少し足りないかも?くらいの量で、3分以内に食べ切れる量を目安に与えること。
3分以内で食べ切れなければ与え過ぎなので、水を汚す前にスポイトなどを使って食べ残しを取ってあげて下さい。 - メダカにとって光はとっても大切です。
健康的に長くメダカを飼育していくためには光が必要不可欠です。
太陽光が入らない室内飼育であれば、アクアリウム用のライトなどの導入を検討してみて下さい。 - メダカ飼育は水作りがとっても大切です。
バクテリアが上手に定着して水が安定するまでの最初の1ヶ月間くらいまでは、小まめに水換えをするようにしてあげて下さい。
メダカ飼育初心者によくある質問
ではおまけコンテンツとして、視聴者の方やお客さんからいただく質問についてお伝えしてきます。
- 餌は毎日あげた方が良いでしょうか?
-
メダカは絶食に強い生き物なので、成魚であれば毎日餌を与えなくても死んでしまうことはありません。
逆に餌の与え過ぎによる水質悪化に注意する必要があります。
春・夏などの暖かい季節の場合は、1日2回程度。
秋・冬などの寒い季節の場合は、1日〜2日に1回程度で十分です。
- エアレーション(ぶくぶく)は必須でしょうか?
-
メダカの体は小さくて生きていくのに大量の酸素を必要としないので、エアレーションをしなくてもメダカ飼育をすることはできます。
メダカ1匹につき1リットル以上の水を確保出来ているのであれば、基本的にエアレーションは必要ありません。
ですが、容器内の水量に対してメダカの数が多すぎたり、濃い緑色の水(グリーンウォーター)で飼育している場合や大量の水草が飼育容器内に入っている場合はメダカが酸欠を引き起こす可能性があるので、エアレーションをしてあげることによってメダカの酸欠を防ぐことが出来ます。
また、室内飼育の場合は屋外と違って風で水面が揺れることがないので油膜が張りやすくなるので、エアレーションをしてあげることをオススメします。
上手にエアレーションを活用することで、水中のバクテリアの活性も上がって水の淀みがなくなり、良い水の状態を保ちやすくなります。
- 水草や砂利は必須でしょうか?
-
メダカを飼育するのに、水草や砂利などは必須ではありません。
メダカは水草や砂利などを何も入れないで飼育することが出来ます。
ですが、観賞を目的とするのであれば水草や砂利などを入れて、
水槽をレイアウトして楽しむのもオススメです。
- 飼育水に井戸水は使っても大丈夫でしょうか?
-
基本的には井戸水でも大丈夫です。
地域によって水質が異なるので一概には言えませんが、井戸水の場合はカルキ抜きを使わなくても飼育水として使用することが出来ます。
心配な場合は市販のカルキ抜き等を使ってカルキをしっかり抜いてから飼育水として使うことをオススメします。
- メダカの品種はどのくらいいますか?
-
どこからどこまでを品種と定義するかにもよるのですが、2024年現在は850種類以上いると言われています。
リンクちなみに日本に棲む野生のメダカは「キタノメダカ」と「ミナミメダカ」の2種ですが、改良メダカの品種は、メダカが持っている色々な特徴の組み合わせで決まるので、ここまで沢山の品種が作出されています。
- 旅行などで不在にする場合はどうすればいいでしょうか?
-
メダカは水中に漂う微生物や水面に落ちてくる虫なども食べているので、3日〜1週間程度は餌を与えなくても大丈夫です。
逆に、心配だからといって旅行前に餌をたくさん与えすぎてしまうのはNGです。
- マンションやアパートでもメダカは飼えますか?水換えはどうしますか?
-
マンションやアパートでもメダカは飼育できます。
水換えはプロホースという商品がとっても便利です。
リンク水と一緒に汚れも排水してくれます。
- メダカを飼いきれなくなったら放流しても大丈夫でしょうか?
-
飼い切れなくなったとしても、メダカを川や池に流してしまうのは絶対にダメです。
実は今、改良メダカの放流が問題になっています。
メダカは元々野生の生き物です。
その野生のメダカを何年も交配・累代を重ねて産まれてきたのが改良メダカ。
同じメダカとはいえ、野生のメダカと改良メダカは別の遺伝子を持っています。
そんな改良メダカが野生のメダカと交配した場合、産まれてくる子供はもう純粋な野生メダカとは言えません。
それが繰り返されると…
いずれ日本から、野生のメダカがいなくなってしまうかもしれないというわけです。
これが”改良メダカの放流問題”の概要です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
こんな長くて真面目な記事をここまで読んでいるのは本当に凄いことだと思います!
きっとここまで読んで、しっかり理解をして下さった方でしたら、メダカへの愛情を持って上手に飼育してくれると信じています^^
ここで少しだけ僕がメダカについて発信している理由について話させて下さい。
それは「メダカを一生の趣味にする人を増やすため」と「”あなたからメダカを買いたい”と言ってもらえるようになるため」です。
僕はメダカに出会ってから毎朝起きるのが楽しみになったり、夢だった本作りに関わってメダカファンブックの編集を担当したりと、大袈裟ではなく人生が180度変わりました。
そんな実体験から”メダ活のススメ”というブログやYouTubeで発信をしています。
僕はメダカという生き物は本当に凄いなぁと思っていて、飼育もとても簡単で子供からお年寄りまで誰でも飼育することが出来ますし、
お子さんへの情操教育や老後の趣味としても最適だと思っています。
実際にメダカは小学5年生の理科の学習教材にもなっていますし、僕のメダカを手に取って下さった方の中には、80歳近い方もいらっしゃいます。
まさに”老若男女楽しめる一生の趣味に相応しい”と僕は心の底から本気で思っています。
だからこそメダカの魅力を伝えたくて、雨の日も風の日もこうやってYouTube等で発信をしています。
メダカのことを発信している方は僕の他にも沢山いらっしゃいますので、色々な方から情報を吸収しながら、
本格的にメダカブリーダーを目指してみたり、庭先やお部屋にメダカを置いて観賞して楽しんだり…
ぜひ自分に合ったスタイルでメダカ飼育を楽しんで下さい。
メダカとっても可愛いので、ぜひ一緒にメダカ飼育を楽しんでいきましょう!
というわけで僕の知識と経験は、これからも惜しみなく発信していきますので、
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